平成10年10月~現在まで、森家での調査などをご紹介します
■ | 10月中旬、宝塚市安倉にお住まいの「田中稔」氏にご紹介頂き、同町にお住まいの、森琴石門弟「田川春荘 たがわ しゅんそう」の孫宅を訪問する。摂津、川辺郡安倉村(かわべぐん あくらむら)の村長として地方行政に携わった田川春荘は、政治的手腕があり県政や国政を担う人物との繋がりも深かったようだ。明治44年11月、田川春荘が有志の依頼を受けて描いた「孔子子弟薫陶図 注1」が伊丹市の稲野尋常小学校に寄贈されている注1。そのお手本となった下絵が森家に現存する。
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■ | 林業の地として知れる愛媛県上浮穴郡(かみうけなぐん)は、二町村の総面 積の約9割が森林である。久万高原町(くまこうげんちょう)にある、久万町立美術館の「井部コレクション 注1」には、「胡鉄梅 こ てつばい」が、明治18年10月から12月に染め付けした「六角花瓶」や「茶器」など、砥部焼き(とべやき)の作品四点が所蔵されている。花瓶の箱書には「砥部郡愛山作、唐人胡鉄梅画六角花器、雀巣庵旧蔵」と書かれ、茶椀には「寫於流芳堂」・「寫於豫山」の文字があり、底裏には「愛山精製」と記されている 注2。砥部焼き「愛山窯 あいざんがま 注3」向井和平の窯元で製作されたものである。明治18年、森琴石は四国を訪れており、12月には愛媛県今治で「十六羅漢図 注4」を描いている。また「明治18年香川県の王越(おうごし・坂出市近辺の漁村)で描いた」と、琴石が晩年に記録した「作品の覚書」に記されている。同年、清国文人衛鋳生(えい ちゅうせい)は、岡山県芳井町の「山成酒造 やまなりしゅぞう 注5」所蔵の書画帖注6に、書を揮毫している*。
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■ | 香川県高松市歴史資料館には、門弟「近藤翠石」の「山水図屏風」「五福祥集図」二点が所蔵されている。また「琴石」名の「四季花鳥図」四点が収蔵されている。琴石名の作品は高松市の向井家からの寄贈によるものである。 明治13年、森琴石画による響泉堂刻「題畫彙寶 新撰書家自在 乾坤」を編さんした「赤松 渡 ※」は高松市初代市長を務めた。
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